ひと夏を越えた酒と、九月の食卓

ひと夏を越えた酒と、九月の食卓 コラム

ひと夏を越えた酒と、九月の食卓

夕暮れどき、開けた窓から思いがけず涼しい風が入ってくる。
九月の秋は、そんな小さな瞬間から始まります。

暦の上では、草花に朝露が宿る「白露」を迎え、やがて昼と夜の長さがほぼ同じになる「秋分」へ。
残暑のなかにも虫の声が聞こえ、食卓には秋刀魚やきのこ、里芋、栗といった季節の味が並びはじめます。
そろそろ、温かい日本酒が恋しくなる頃です。

秋限定の「白神山地の四季 純米ひやおろし」は、寒さの厳しい冬に仕込み、低温でじっくり熟成させながら、ひと夏を越した一本。
できたての酒が持つ若々しさは、夏の間にゆっくりとほどけ、丸みを帯びた味わいへと育っていきます。

利き酒をして印象に残るのは、口に含んだときのふくよかな広がりです。
香りは穏やかでありながら厚みがあり、まろやかな旨みの奥にはしっかりとした深みも感じられます。
秋の夜にゆっくり杯を重ねたくなる味わいです。

冷やや常温でも楽しめますが、おすすめは「ぬる燗」。
目安は40度ほど。徳利を手にしたとき、ほんのり温かいと感じるくらいです。
やさしく温めると、閉じていた香りがふわりと立ち上がり、熟成によって生まれた丸みと、純米酒らしい米の旨みがいっそう豊かに膨らみます。

合わせたいのは、まず秋刀魚の塩焼き。
香ばしい皮や脂の甘みに、ぬる燗のやわらかなコクがよくなじみます。
舞茸やしめじのソテーなら、きのこの香りと酒のふくらみが重なり、秋らしい余韻に。 里芋の煮物、鮭の味噌焼き、銀杏を添えた茶碗蒸しなどにもよく合います。

九月は、夏から秋へと食卓の温度が変わる月。
その日の風が少し涼しく感じられたら、ぬる燗にしてみてください。

ひと夏を越えて、ゆっくりと味わいを深めた「白神山地の四季 純米ひやおろし」。
お燗の湯気とともに、今年の秋を迎える一杯です。

記事と挿絵の作成に一部AIを使用しています